FM本庄「能登半島被災地支援報告」(2024年2月14日)

2024年2月25日

能登半島被災地支援報告

2024年2月14日11:00~12:00放送分

 

 

小幡 今日のゲストは能登半島地震の災害支援をしている吉田孝さんです。いろいろな話を聞けるので楽しみです。では自己紹介をお願いします。

吉田 自己紹介 挨拶
おはようございます。今日はお招きいただきありがとうございます。
ラジオをお聞きの皆さま初めまして。吉田孝と申します。時間をとってお聞きくださりありがとうございます。私は本庄市五十子で本庄キリスト教会の牧師として働く傍ら、一般社団法人「ライフネットいかっこ」の代表理事をしております。
初めにライフネットいかっこについて説明してもよろしいですか?
この団体は「困った時はお互い様」の理念のもと地域貢献を目指して8年前に設立されました。活動内容は主にフードバンク(会社や団体そして個人から無償で食品をいただき無償で必要とする働き)災害復興支援、こども食堂支援、成年後見(特に任意後見元気なうちに公証役場で依頼者と契約を結んで生活支援する制度)、墓仕舞い、バザー、在日外国人支援を細々としています。基本的には本庄児玉市民の為になる事で私達が出来ることは何でもします。
特に今日は能登半島地震支援報告の話をしたいと思いますので何でも聞いてください。

質問1 吉田さんはいつからこのような支援活動をしているのですか?

Ⓐ はい、29年前の阪神淡路大震災の時に先輩牧師が物資を西宮に送るのを手伝ったのが最初です。又、その年の5月にカウンセリングチームの一員として西宮の仮設住宅を訪ねて傾聴ボランティアをしました。
その後、東日本大震災ではチームを作って石巻、南三陸町、東松島町を訪ねて泥払いや支援物資の搬送、傾聴ボランティアをしました。
最近では2015年の鹿沼市日吉町の土砂崩れ支援や、2019年の台風19号4栃木市内が巴波川の氾濫で水浸しになった時には風間牧師と泥払いをしました。長野県の千曲川氾濫の時も支援物資を数回送っています。

質問2 今回の能登半島地震の支援では具体的にどんなことをしているのですか?

Ⓐはい、1月1日の元旦礼拝が終わって4時10分ごろ、二階に上がって休もうとしたら本庄市でも大きな揺れがありました。NHKのアナウンサーが絶叫していました。これはただ事ではないと思いましたね。その時から正月気分が吹き飛びました。それから被害の状況が広がるにしたがい自分たちも支援にかかわる必要があると即座に思いました。

幸い私たちは一般社団法人「ライフネットいかっこ」を運営しており、定款で災害復興支援が明文化されているのでやりやすいですね。すぐに本庄キリスト教会関係者にお知らせして募金をつのりました。
またフエイスブックでも募金のお願いをしたら集まり始めました。栃木市の洪水の時、泥払いをした風間哲也牧師(栃木県野木町在住)にも声を掛けたら一緒にやろうと言う事になりました。風間牧師夫妻は東日本大震災の時、彼は宮城県気仙沼で8年間牧師をしながら地域の方々の為に働いてきた方です。FMラジオ局もずっと開設していました。

そんな訳で、募金は昨日までに54万8千283円集まりました。その資金をもとに1月21日午後から23日迄の3日間、風間哲也牧師の軽トラックで皆様から預かった支援品を積んで金沢、七尾市迄往復千キロを運転していってきました(すべて風間さん運転です)

支援品は七尾市にある能登ヘルプの倉庫で手渡ししました。但し能登ヘルプでは今日現在(2月14日)物資が集まりすぎて受付を停止しています。
寄付金は本庄婦人会はじめ、有志の皆様、キリスト教会関係者から頂きました13万4千933円全額を地元の能登ヘルプに寄付しました。使い道は炊き出し用費用(材料費1回5万円)トラック等のガソリン代、スタッフ、アルバイトの交通費などがあります。私達が行った時には七尾市の能登ヘルプ倉庫には宮城県や、九州熊本、韓国の宣教師、カナダから10名くらいの方が仕分けをしていました。荷下ろししながら一緒に手伝いしました。又空の段ボールが相当余ったので軽トラに積んで持ち帰りました。実はこれがスタッフに一番喜ばれました。

能登ヘルプに全国から集まった支援物資を仕分けし要望に合わせて老人ホームや、避難所、希望する団体に配るわけです。数をきちんと数えて配達し、そして次にまた必要なものを聞いて再び配達するという感じです。また別のチームは避難所で炊き出しします。七尾市はいまだに水が出ないので大変です。
七尾市には日本全国から多くの民間支援団体が能登半島で働いています。このような姿を見て日本人って優しい国民性だと思いました。

質問3今回の訪問で困ったことはありますか?

Ⓐそうでね、被災地の近くにはホテルが無いので現場に行くのに時間がかかる事でしょうか。金沢から片道二時間近くかかるので。

質問4 他に気づいたことは何かありますか?

Ⓐそうですね。警察のパトカーが多かった事ですね。福島ナンバー、千葉ナンバー。能登半島を北上するにしたがって、大きな交差点に大勢の警察官が警備していました。聞くところによると泥棒対策もあるいう事ですね。日本も情けない人が増えたのでこれは残念です。

質問5 次の計画はありますか?

Ⓐはい、まずは先日、本庄婦人会の皆様から頂いた寄付金10万円の内5万円は珠洲市で炊き出しや泥払い、片付けボランティアをしている神戸の一般社団法人神戸国際支縁機構の岩村さんと連絡を取り合い10日に送金しました。将来的に日程が合えばこのチームの炊き出し応援をする予定です。彼らは来週珠洲市に行くので会えませんが、5万円をとても喜んでくださいました。

また風間牧師と軽トラックで2月25日午後から28日迄3泊4日で予定しています。25日は金沢市に泊まり、26日は輪島市に行きます。ここでは自分たちが被災しながらも地域の方々の為に働いている教会を訪問する予定です。ここにも物資と支援金を届ける予定で調整中です。但し道路事情が悪いので滞在時間は数時間になるかもしれません。でも輪島市は一番厳しい状況にあるので今回の訪問できっちり見ておく必要があります。

27日は羽咋市に行きます。ここで活動している東京のNPO法人LOVEEAST(創設者は歌手の久米小百合さん)異邦人の歌で有名ですね。今回このチームと一緒になって「がれき片付け」できるよう調整が出来ました。又このチームにも炊き出し用の寄付金を届けます。
二回目になると被災地の中心地に行くのでこれからの働きの展望が見えてきます。翌日28日夕方に帰ってきます。風間牧師は本庄から更に2時間かけて栃木の家に帰ります。

質問6 将来的にはどのような事を考えていますか。

Ⓐはい今後仮設住宅が出来ますので、生活がかなり安定的になります。しかし安定すると同時に様々な将来についての悩みや課題が増えてきます。そこで必要なのは傾聴ボランティアですね。傾聴することによって相談者は自分の考えが整理されてきますのでとても役立つ働きです。
それと炊き出し。歌や音楽のサービス、手品や笑えるもの。マッサージ等があります。
数年すると、町づくりや災害復興住宅建設へとつながってきます。出来ればその辺ぐらいまでは関わっていきたいですね。

それと私達が出来るのは観光で能登半島にいく事ですね。今も東北に買い物ツアーに行って被災地を元気付けている本庄の皆さんもいます。被災地を忘れない。こういう姿勢が大切ですね。
私達も今も東北の缶詰やワカメ、りんごチップス購入を通して宮城県の方々と交流を続けています。同じ日本人として交流するのが良いと考えています。

質問7 被災地支援をする上で大切なことは何でしょうか。

Ⓐはい 次の事です。
①無理はしないで自分達に出来ることを喜んですること
②ネットワーク作りだと思います。同じ志を持った仲間が地域にも全国にも大勢いますのでそのような協力関係を大切にしていく事でしょうか。
③被災者へのかかわり方は、出しゃばらない、押し付けない、能登の方々の視点、目線に立って共に生きる事ですね。
④いつ自分たちが被災者になるかわからないので備えをしておくことだと思います。これは日本に生きる者として宿命だと思います。

他に質問があればお願いします。

今日はお聞きくださりありがとうございました。